Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「ホフマン短編集」E・T・Aホフマン

ホフマンはドイツの人で、作家、作曲家、画家、法律家と多岐に渡る才能を見せました。現在では、後期ロマン派の幻想文学の奇才としてよく知られています。現実と非現実が直接に交錯する彼の作風は、読む者の感覚を奇妙に混乱させてしまうようなものを持っています。まさしく幻想文学ですが、単なる幻想文学の枠を越えて、人間が生存する限り、持たざるを得ない本質的なゆらぎに迫っていくような怖さを持っています。ドストエフスキーはホフマンの愛読者でした。若いときの手紙でホフマンの小説に触れ、「自分の中にある力を持ち、神という玩具と戯れている人間を見ることは恐ろしいことです。」と語っています。人間存在の闇を見つめ続けた作家です。