Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「精神分析学入門」フロイト

無意識心理学の祖フロイト自身による精神分析学の入門書です。フロイトは重度の神経症者でした。弟子のユングの夢を聞き、ユングは私を亡き者にしようとしていると思い込み、列車の中で倒れてしまうほどの症状でした。フロイトの学説は自身の神経症が治癒していく過程から生み出されていったものです。また、フロイトは稀代の名文家でもありました。勘所に微妙な抑制の利いた文章は古典の名に値します。フロイトは世界観を欲しがりませんでした。書物の中で、どのような世界観も表していません。この性質がフロイトの思想を現代思想の最先端に位置づける大きな特徴となります。ではなぜ、フロイトは世界観を表明しなかったのか。フロイト自身が決して自分というものを表さなかったからです。自己と世界はそれほど密に連動しているものです。▼オイディプス・コンプレックスに代表されるフロイトの所論は、心理学にとどまらず、さまざまな分野の学問に広範で深刻な影響を及ぼしました。現代の知の最先端を走り続ける巨人です。