Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「徒然草」吉田兼好

日本三大随筆の一つです。批評精神の横溢した書物ですが、作品の基調はとても明るく、仏教的な抹香臭さを少しも感じさせません。最終段は、兼好の利発な少年時代を叙したものです。兼好が仏はどこからやって来たのかと父に問い詰め、父はとうとう分からないと答えて、人に笑い話として話すのですが、たいへん無邪気で明るい兼好自身の自画像と言えます。フランス風のエスプリの利いた苦い自画像とはその点、対照的です。徒然草には、他にも兼好でしか書けなかったような無邪気な話柄がたくさんあります。人生指南の書としても最良の古典です。