Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「方丈記」鴨長明

日本三大随筆の一つですが、もっとも色調が暗いといっていいでしょう。現世の無常がひしひしと伝わってきます。扱われている題材もたいへん深刻な眉を顰めたくなるようなものばかりです。そうした世の無常を描き、最後に一つの庵をむすび、その方丈の家の中で行い澄ましていますが、いったい自分は何をやっているのかと呟き、「心さらに応ふるところなし」といい、最後に、役にも立たない念仏を毎日唱えているのだと言って終わります。つまり、世の広大な狂気に比べれば、正気なのはこの方丈ばかりのスペースばかりだという意味です。心の屈託した人には、最良の居場所を与えてくれる優れた古典です。文章は数時間で読めるほど短いものです。