Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「源氏物語」紫式部

およそ、物語上の登場人物で、作者からこれほど酷愛された主人公というものはいないでしょう。式部は太陽光のようなまっすぐな愛を光源氏に注ぎきります。物語に奔出するおびただしいメタファーとそれを正確にかぎ分けるするどい嗅覚と感覚は、源氏物語に慣れない人を戸惑わせますが、そのメタファーの大海にあって、誰よりも光り輝いているのが光源氏です。この世ならぬあやしい徳を身につけた男と言っていいでしょう。「竹取物語」を大規模に反転させた物語と言っていいかもしれません。