Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「明恵 夢を生きる」河合隼雄

鎌倉時代の旧仏教の名僧、明恵上人の「夢の記」を元に、現代の心理療法家の著者がそれを精細に分析した書物です。著者は、明恵上人が自分の夢とどう向き合って来たのか、正面から取り上げます。著者の本の中では、読解の難しい本ですが、著者独自の父性原理、母性原理という言葉を用い、夢がどう明恵上人の生き方に関わってきたのかを丹念に論究していきます。日本のユング派の第一人者が、他ならぬ中世の日本に自分の師を見つけ得たことに驚嘆します。明恵上人の伝記と照らし合わせて読むと一層理解が深まることでしょう。夢分析の名著です。