Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「ユング自伝」ヤッフェ編

ユングは、自分の個人的な出来事を語るのを好みませんでした。ユングの秘書ヤッフェがいなかったら、この書物は出来上がっていなかったでしょう。ですが、実際出来上がった書物を読んでみると、この本がじつに価値のある得難い本であるのが分かります。ユングは精神科医でしたが、ユング自身がそのまま統合失調症者でした、じつに様々な妄想や幻覚に襲われています。この自伝は、そのユングがどのように自分の病気を克服し治癒していったのか、その精細で破格な記録の書です。若年期また病状の重いときのユングの見る夢や幻は、鮮烈を極めます。ユングの心理学が、イメージの心理学と言われる所以です。現代のオデュッセウス神話を生きた人物です。