Hideの本とエッセイと詩のブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「善悪の彼岸」ニーチェ 新潮文庫

ニーチェ自身が、「わたしの哲学を学ぼうと思う者は、まず、この書から読むといい」と言ったニーチェ哲学への入門書です。巻頭言に「女が真理であったとしたらどうであろうか」という言葉が載っています。ニーチェにとって真理とは机上の論理ではありませんでした。常に人生や生活の直中で試みられ、生き続けなければならないものでした。そこに、退っ引きならない悲劇が生まれます。大いなる不幸、大いなる醜悪、大いなる失敗、それらを堪え忍ぶだけではならない。進んでそれを愛さなければならない。ニーチェの思想は、さらに先端を鋭利に研いだキリスト教に他ならないようなものがあります。「ツァラトゥストラ」は老いて円熟したイエス・キリストを念頭に置かなければ書けないものでした。