Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「マクベス」シェイクスピア

シェイクスピアの四大悲劇の中で、もっとも色調の暗い悲劇です。これは、マクベスが本物の悪人に他ならないことから来ています。王の高貴な血筋を断ったマクベスは、自ら、王位簒奪者になります。魔女の予言にいいように振り回され、権力をわがものとするために、殺し屋に暗殺を依頼します。マクベス劇中もっとも暗い場面です。マクベスは、魔女の予言を信じ悪に手を染めるのですが、自ら悪人となる道に賭けるように行動し、本物の悪人になります。父の亡霊の言葉を信じたハムレットとはそこが決定的に違います。劇の大団円には、有名なマクベスの不気味な独白があります。「すべては無意味に過ぎ去る・・・。」現代人のわれわれにも近しいと言っていいほどの、赤裸々な悪人の告白とはどういうものかを端的に示しています。劇は、マクベスの首が切られるところで突然終わります。人間性にひそむ悪をぎりぎりまで抽出し、その終焉を描いた悲劇です。