Hideの本とエッセイと詩のブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「臨済録」慧然 岩波文庫

語録の王と呼ばれる、臨済宗の開祖、臨済の言行録です。一読、本から爽快な風が吹いてくるような自在極まりない精神を感じさせます。「仏を殺し、祖を殺し、父を殺し、母を殺し、眷属を殺し、親族を殺し、知音を殺し等々」臨済の言葉は奔放そのものです。「赤肉壇上一無位<しゃくにくだんじょういちむい>の真人、これなんの乾屎橛<かんしけつ>ぞ」最高位に値する真人は、干からびた糞のように何の用もなさぬと言うのです。臨済の器量の大きい広大な人格は、若年から、この男は多くの人々の陰涼となる素質を備えていると密かに注目されました。我々は見事に成長した大木を目の当たりにすることができます。木偶の坊で、何の取り柄もない、現代の実存的な場でも陰涼となり得る稀有の男です。