Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「饗宴」プラトン 新潮文庫

愛をテーマとして語られた対話篇です。愛の達人であったソクラテスが、酒を飲み、ご馳走を食べながら、名だたる人物たちと語り合います。悲劇詩人のアガトーンがいます。喜劇詩人のアリストパネースもいます。いずれも歴史的人物ですが、対話を主導するのは、もちろんソクラテスです。アリストパネースはしゃっくりを起こし、対話の途中から参加するというユーモラスな扱いを受けています。対話の内容は、愛の神の性質から、愛の奥義まで語られていきます。まるで、その場に読む者が居合わせているような錯覚さえ覚えるほど現実感に溢れた対話篇ですが、愛について語られる言葉には、抗し難い真理が備わり、読む者を非常な深所まで連れて行きます。プラトン対話篇中の白眉です。