Hideの本とエッセイと詩のブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「パンセ」パスカル 中公文庫

フランスの科学者であり、哲学者であったパスカルのパンセ「瞑想録」です。「人間は考える葦である」という有名な言葉が見えます。この書は不抜のカトリックの信仰を持つパスカルが、人々を信仰にいざなうために書かれた書物です。信仰を持つ方に賭けることがどれほど大きな得であるかをパスカルは力説します。けれども、どれだけ自分がそのことを説こうが、賭けない人間は賭けないことをパスカルはまたよく知っています。省察は人間という謎めいた実在に向かいます。「神の似姿にして大地を這い回る蚯蚓<みみず>、一体誰がこのもつれを解くのだろうか。」パスカルの文章は一見すると、表面に集中しているように軽く見えますが、少し押してみるとそのまま底の知れない深淵まで到達するような尋常ではない深みを持っています。偉大な科学者であり、真のカトリック信者でもあったことを思い合わせれば、畏敬の念さえ湧いてくる、古今を絶した人物だと言えるでしょう。因みに現在でも役立っている乗合バスの方式を考案したのもパスカルです。