Sekiの本と詩とエッセイのブログ

おすすめ本や自作詩、エッセイなどを載せていきたいと思っています。

「タイプ論」ユング みすず書房

ユングは、ある同じ神経症の女性患者の症状を分析したフロイトの外向的な解釈とフロイトの弟子であるアドラーの内向的な解釈が、同等の正当性を持っていることに注目し、外向性と内向性というタイプ論を打ち立てました。古今の書物を渉猟し、例えば、ゲーテの外向性の性格と対照的なシラーの内向性な性格について、詳細な論考を残しています。しかし、ユングは自分の考えたタイプ論だけで、人間存在という不可思議な現象を説明しうるとは考えていませんでした。ユング自身、わたしの考えたタイプ以外にも、様々なタイプ論が可能であろうと言っています。心理学の歴史から見ても、重要な文献となったこの書物についての価値を、みずから相対化する真理の使徒としてのユングの面目を施した書物です。